【洒落怖】渦人形・ひょうせ – 2ch死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?
>>272続く
さっき説明した通り、俺の部屋は車庫の上にあり壁もほぼ垂直なので、よじ登って
窓を叩くなどまずできない。
しかも、その窓は昨晩例の子供が覗き込んでいた窓だ…
状況が状況だけに全員が顔をこわばらせていると、B太が強がって
「なんだよ、流石に誰かの悪戯か風のせいだろ?」
とカーテンを開けようとした。
俺は大慌てでB太に事情を話しカーテンをあけるのを踏みとどまらせた。
窓を叩く音はまだ続いている。
D幸が
「やっぱ正体確認したほうがよくね?解らないままのほうが余計こえーよ…」
と言ってきた。
たしかに何かその通りな気がした、なんだか解らないものが一晩中窓を叩いている
状況なんてとても耐えられそうに無い。
俺達は階段のところまで移動し、カーテンを少し開けて隙間から俺の部屋を
見てみた。
いた…
昨日のあれが、やはり昨日と同じように首をらしき棒を伸ばし、窓から俺の部屋を
覗き込んでいる。そして、時々
続く
>>273の続き
コン…コン…
と頭を窓にぶつけている。
「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」
という例の抑揚の無い笑い声のようなものも聞こえてきた。
音の正体はこれだった。
異様な光景だった、そして、昨日は気付かなかったが、あれは子供と言うより和服を
来た人形のようだった。
頭が窓にぶつかる音も、人間の頭と言うより中身が空洞の人形のような音だ。
C広が
「ひょうせって今日もう一度封じ込めたんじゃねーのかよ…」
と呟いた。
その時、俺の親父が騒ぎに気付いて
「お前ら何やってるんだ?」
と階段を上がってきた。
その時、その声にびっくりしたA也が思わず腕を窓にぶつけて
ドン!
と大きな音を立ててしまった。
続く
残りは少し時間を空けてうpします
>>274の続き
“それ”の棒の先にある頭だけがカクンッという感じでこっちを向いた。
俺達は顔をはっきりと見た。
“それ”はおかっぱ頭で笑顔の人形だった。ただし、ただの人形ではない。
顔は人形特有の真っ白な肌なのだが、笑顔のはずの目は中身が真っ黒で目玉
らしきものが見えない、口も同じで、唇らしきものもなくそこにはやはりぽっかり
と真っ暗な三日月状の穴のようなものがある。
それでも、目や口の曲線で「にっこり」と言う感じの笑顔なのが解るのが余計に
不気味だった。
親父が
「だからお前ら何やってるんだ?」
と窓のところに来てカーテンを全開にすると、それはサッ!と屋根の影に
隠れて見えなくなった。
が、親父にも一瞬「何かがそこにいた」のは解ったらしい。
親父は大慌てで1階に降りると、携帯でどこかに電話をし始めた。
どうやら昼間祈祷をしてくれたおぼうさんやおじさん達の連絡先を聞いていた
らしく、そこと顧問の先生のところに電話しているらしい。
その後、影に隠れたきり”それ”は二度と姿を現さなかった。
続く
>>278の続き
朝になり、昨日のおじさんたちや顧問の先生などが俺の家に来た。
とりあえず異常事態ということで、全員を合宿所近くにあるお寺まで連れて行く
という。
みんなの親たちも俺の家に来たのだが、おじさんが
「被害が更に拡大するといけないから親御さんは来ないほうがいい」と言うことで、
行くのは俺達だけになった。
俺達は着の身着のまま車に乗せられ出発した。
昼前にお寺に到着した。
お寺に入ると、ジャージ姿でゲッソリとした感じのE介が俺達を出迎えた。
E介によると、あれから色々あったがなんとか今のところは助かっているらしい。
本堂に入ると、お坊さんと昨日のおじさんが昨晩の出来事を詳しく教えてほしい
と言ってきた。
俺達が順番に状況を話していると、人形の姿の説明のところでおじさんが
「ちょと待った、人形?首が長い?何の話をしているんだ?」
と驚いた顔で言ってきた。
そして、俺達が昨日みた人形の姿を改めて説明すると、お坊さんと
「いや、これはひょうせじゃないぞ、どうなってるんだ?」
「おかしいとおもったんだ、色々辻褄が合わない」
と、2人で話し合い始めた。
続く
すみません、やはり連投規制に引っかかってしまいました。
>>279の続き
そして、暫らく話し合った後俺達に状況を説明してくれた。
結論から言えばひょうせに憑りつかれていたというのは全くの勘違いで、
どうも俺達に付き纏っているものの正体は全く別の何からしい。
俺は
「今更それはねーだろ…」
と思った。
おじさんが続けた。
最初状況を聞いたとき
・子供のような姿
・笑い声
・生徒がおかしくなって笑いながら泣いている
・村の近く
と言う状況から「ひょうせ」だと思ったらしいが、どうも今詳しく話を
聞いてみると、ひょうせのしわざと症状は似ているが、姿形がまるで
伝承や過去の目撃証言と違うらしい。
そもそもひょうせというのは、子供くらいの姿をした毛むくじゃらの
猿のような姿で、服も着ていないしおかっぱ頭でもないし、当然
首ものびたりもしないようだ。
笑い声も俺達の聞いたようようの無い機械的なものではなく、笑い声と
いっても猿の鳴き声に近いとの事だった。
続く
>>282の続き
俺達は途方にくれてしまった。
ぶっちゃけこの寺に来れば全部解決すると思い込んでいたのに、今更
「なんだかわからない」ではどうしたらいいのか…
室内が重苦しい雰囲気になり、皆しばらく沈黙していると、お坊さんがこう
言ってきた
「とりあえず何か良くないものがいるのは間違いない、少し離れたところにこう
いう事に詳しい住職がいるので、その人を応援に呼んでくる、暫らく皆座敷で
まっていてほしい」
そういうと、車に乗りどこかへ行ってしまった。
俺達は座敷に通され呆然としていた。
おじさんはしきりにどこかへ電話をし、かなりもめているように見えた。
夕方になり、お坊さんが別のお坊さんを連れて戻ってきた。
お坊さんが戻ってくると同時に、さっきのおじさんが携帯を片手に
「えらい事になった!」
とお坊さんのところに走り寄って来た。
話を聞いていると、どうも村の子供が1人E介と同じ症状でいるところを発見され
たらしく、これからこっちへつれてくるという。
この寺のお坊さんが俺達に
「とりあえず後で話をするから、ひとまず君たちはさっきの座敷で待っていてくれ」
というと、大慌てで2人で本堂のほうへと歩いていった。
続く
>>283の続き
それから15分ほどすると、ワゴン車がやってきた。
車の中からはE介のときと同じようにけたたましい笑い声がする。
車の扉が開き、中から数人の大人と笑い声を上げる以外身動き一つしない
中学生くらいの子供が運び出され、本堂へと連れて行かれた。
暫らく本堂の中から
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
という笑い声とお経を読む音が聞こえていたが、それも10分くらいで収まり
静かになった。
それから更に15分ほどすると、お坊さん2人が俺達のいる座敷に入ってきて、
色々と説明し始めた。
さっきの子供のほうは、消耗が激しいので本堂に布団を敷いてそのまま
寝かせているらしい。
応援でやって来たお坊さんによると、どうも話を聞いた感じやさっきの子供の
様子から見て、幽霊や妖怪のようなものが原因ではなく、何かしらの呪物
が原因ではないかという。
特に根拠があるわけではないけれど、感覚的にそう感じるらしい。
続く
>>284の続き
そして、呪物の類だとすると、と前置きし。
恐らく祈祷で呪物と君たちの「縁」を切ってしまえば、なんとかなるのではないかと、
そして、できればその人形も供養してしまいたいとのことだった。
とりあえずそういう話でまとまったという事で、俺達もそれで解決できるなら
早くしてほしいと、話がまとまた。
と、その前に俺はずっと我慢していたのだがトイレに行きたくなった。
事情を話し、「でも一人じゃなぁ…」と思っていると、他のやつも全員我慢していた
らしく、結局6人で連れションすることになった。
トイレからの帰り道、本堂へ続く廊下を歩いていると、どこからか
「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」
という例の抑揚の無い声が聞こえてきた。
場所は解らないが、あれがすぐ近くにいるようだ…
C広が
「近くにいるよな…」
というと
A也が
「かなり近いぞ、やばくね?」
と返した。
たしかにかなり近い、でも姿は見えない。
すると最後尾にいたE介とD幸が
「やばい、早く本堂に逃げろ!」
と窓の上のほうを指差しながら叫んだ。
続く
>>285の続き
俺達が指差した方向へ振り向くと、それはいた…
前と同じように屋根から頭だけを突き出し
「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」
と笑いながら例の真っ黒な目と口の顔をこちらに向けながらニコニコ
と笑っている。俺たちは全力で逃げ出した。
本堂に着くと、お坊さん2人とさっきのおじさんが待っていた、
今になって気付いたのだが、おじさんはどうもこの村の村長さんらしい。
俺達が事情を話すと、お坊さん達はすぐさま俺達を座らせお経を読み
始めた。
暫らくお経を読んでいると、本堂の天井のほうから
「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」
という例の笑い声と
コツ…コツ…
という俺の部屋で聞いたあの音が聞こえてきた。
俺達はビビりまくって身を寄せ合っていた。
暫らくすると声が聞こえなくなった、俺が
「終ったか?」
言い切らないうちに、今度は本堂の横の庭のほうから
続く
>>286の続き
「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」
という声が聞こえ始めた。
そして、薄暗くなり始めた本堂の障子に、夕日に照らされたあの人形の
あたまが映し出された。
あたまはユラユラ揺れながら相変わらずあんぽ不気味な笑い声で
笑っている。
その時、俺は恐怖心と不安感と連日の寝不足でもう耐えられなく
なって、ちょっとおかしくなっていたんだとおもう。
人形の影を見て、恐怖心よりもその姿にイラつきはじめた。
ユラユラ揺れている姿を見ると、とにかくなんだか良く解らないがムカ
ついてきて、とうとう我慢できなくなった。
俺はお坊さん達がお経を読んでいる横の鉄の燭台を掴むと、蝋燭も
ささったまま引き抜き、周りが制止するのも振りきり障子を開けた。
目の前にあの人形の顔があった。
一瞬俺は恐怖心に襲われたが、怒りとイラつきが勝ってそのまま燭台
をぶら下がっている人形の頭めがけ
「ふざけんなーーーーーーーーーー!」
と叫びながら振り下ろした。
続く
>>287の続き
バキッ!
という音がして燭台の先端が人形の顔にめり込み、そのまま人形は地面に
落下した。
俺は裸足のまま庭に下りると、更に燭台を振りかぶり人形に打ち下ろした。
すると、なにか頭の中に妙な感覚が芽生え始めた。
人形はそれでもなお
「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」
と無機質に笑っている。
俺はおかしくも無いのに笑いたくなり、なきたくも無いのに目からボロボロと涙が
零れ落ちてくる。
明らかにE介たちと同じ状況になりつつあるのだが、それでも俺は燭台を
振りかぶり人形に打ち下ろすのをやめなかった。
あとから話を聞くと、俺はゲラゲラと笑いながら無表情でボロボロと涙を
流していたらしい。
暫らくそんな状態が続いていると、どうも燭台に残っていた蝋燭の火が
人形の服に燃え移ったらしく、人形が煙を上げて燃え始めた。
友人たちによると、人形の
続く
>>289の続き
「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」
という笑い声と、俺の絶叫が交じり合い、薄暗くなり始めた周囲の雰囲気とあわさって、
異様な状況だったという。
それでも俺は笑い泣きしながら殴り続けていると、どこを殴ったのかよく
わからないが
メキッ!
という鈍い音がした。
その途端、俺の中の妙な感情が消えた。
消えたというか、急にシラケてしまったといえば良いのだろうか、とにかく
人形に対するイラつきも、笑いたいという気持ちも泣きたいという気持ちも
急になくなってしまった。
俺はその場にヘタり込み、友人たちやおじさんが
「…大丈夫か?」
と心配そうに近付いてきた。
人形はもう笑ってもいないし動きもしないが、燃えたままでは不味いので友人たちと
おじさんが砂を掛けて消していた。
続く
>>292の続き
理由は解らないが、おれは何故か全て解決したような、そんな良い気分に
なっていた。
この騒ぎの中、お坊さん2人はずっとお経を読み続けていたらしい。
人形(もう殆ど残骸に近かったが…)の事は明日詳しく調べる事になり、箱に入れて
お札を貼り、本堂に安置する事になった。
俺達はお坊さんの好意でそのままお寺に泊まることにした。
翌朝。
俺達は本堂に呼ばれた。
どうやらお経のお陰なのか、俺がぶち切れたのが原因なのか、理由ははっきりしないが、
どうも一応解決はしたらしい。
そして、人形はこのままこのお寺で供養する事になったのだが、結局この人形が何なのか、
その辺りは謎のままだった。
続く
>>294の続き
ただ、燃え残った人形の胴体に、焼け焦げ消えかかった文字で
「寛保二年」という記述と、完全に燃えて文字数しかわからない作者の名前6文字、
それとはっきりとは解らないので残っている文字の痕跡からの推測だが、「渦人形」という
単語が読み取れた。
お坊さんが言うには、とにかく正体は不明だが何らかの呪物である事はまちがいないらしい。
燃え残った残骸に頭と動を繋ぐ棒の部分があったのだが、そこにびっしりと何か
呪術的な模様が書かれていた痕跡があるのが確認できたとの事だった。
その後、今に至るまで俺も含め当時のメンバーには知る限り何も起こっていない。
お寺のお坊さんからは、人形の正体がわかったら連絡をくれるという話だったが、あれから
数年経つが未だその連絡も来ない。
以上です。
長々と2日間に渡りお付き合いありがとう御座いました。
乙でした。
連投規制に引っかかる中、本当にお疲れさまでした。
スゲー面白かった!
ID:x83Y3WRH0
結局正体不明なあたりに嫌な感じが漂ってるな
動く「物」に付きまとわれる話も珍しい方かな?
読み物として面白かったです お疲れ様でした
乙です。
怖かった、、、窓見れない!
理不尽にはキレることも大事なんだな。
引用元:https://toki.5ch.net/test/read.cgi/occult/1305643979/
面白かった。