【洒落怖】渦人形・ひょうせ – 2ch死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?
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183: 1 2011/05/19(木) 23:27:14.09 ID:GMmQg5nH0
高校の頃の話。
高校2年の夏休み、俺は部活の合宿で某県の山奥にある合宿所に行く事になった。
現地はかなり良い場所で、周囲には500m~700mほど離れた場所に観光地の
ホテルやコンビニなどがあるだけで他には何も無いけれど、なんか俺達は凄く
わくわくしてはしゃいでいたのを覚えている。
その日の夜の事。
暇をもてあました俺達は、顧問の先生の許可を貰いコンビニまで買出しに行く
事にした。
わいわい騒ぎながら10人ほどで外にでて歩き始めると、昼間はそちらのほうに
行かなかったので気付かなかったが、合宿所の裏手に家らしき建物が
あるのが解った。
その建物には明かりがついていなかった。
多分空き家か民家っぽいけど別荘か何かなんだろうと思われた。
友人が調子の乗って「あとで探検いかね?」と言い出したが、あまり遅くなると
顧問の先生にドヤされるし、ひとまず買い出し終わってから合宿所内で今後
のことは考えようという話になった。
続く
>>183の続き
コンビニで買出しをし合宿所に戻る途中、後輩の1人が変なことを言い出した。
例の建物の玄関が少し開いていて、そこから子供がこちらを覗き込んでいた
という。
俺達は「そんなベタな手にひっかからねーよ!」と後輩をおちょくったが、後輩が
真顔で「マジで見たんだって!」というので、ちょっと気味が悪くなってしまい家が
見えるところまで確認に戻ったが、ドアは閉じていて人の気配も無く特に異常は無かった。
俺達は後輩をおちょくりながら合宿所へと戻った。
合宿所へ戻り、2階の廊下から外を眺めると、例の家の1階部分が木の間から
僅かに見えた。
俺が友人と「あそこに見えるのそうだよな?」なんて話をしていると、家のドアが
僅かに開き、暗くて良く解らないが子供らしい人影が頭だけをドアから出して
こちらを覗きこんでいる。
「…え?」
俺と友人は同時のその光景を目撃し沈黙した。
その後最初に口を開いたのは友人だった。
続く
>>185の続き
「おい…あれって…」
友人はかなり動揺しながらそういった。
俺も恐怖というよりあまりにも唐突の事で思考が停止してしまっていて。
「子供…こっち見てるよな?」
としか返せない。
その時、後ろの部屋から笑い声が聞こえてきた。
俺と友人はその声にびっくりし、ハッ!と我に返った。
そして、俺は「これやばくね?ばっちり見えてるよな?」というと、友人が
「おれちょっと携帯持ってきて写真撮る」と自分の部屋へと走っていった。
すると、騒ぎを聞きつけてなんだなんだと合宿所にいる生徒(他校の生徒も
いたので総勢60人くらいが合宿所にいたのだが、そのうちの半分くらい、30人
ほど)が2階の廊下に集まりだした。
子供らしき人影はまだドアから顔のみを覗かせてこちらを見上げているように
見える。
廊下は大騒ぎになり、とうとう顧問の先生たちも何の騒ぎだとやってきた。
第一発見者の俺と友人が事情を話していると、窓から外を見ている生徒の
何人かが「あ!」と声をあげ、かろうじて聞き取れる音で
続く
>>186の続き
パタン…
とドアの閉じる音がした。
顧問の先生たちが外を見る頃にはドアは閉じられ人影もなくなっており、
何事も無い林と明かりもついていない家らしき建物が見えるだけだった。
当然先生たちは信じてくれなかったが、ノリの良い若い先生2人が一応
確認しに行ってくれることになり合宿所の裏手へと回った。
俺達が窓から様子を見ていると、懐中電灯を持った2人が現れ、家の
玄関のところで何かやっている。
どうやらドアが開くか調べているようだがあかないようだった。
その後「誰かいますか~?」と声をかけたりしていたのだが、反応がない
らしく5分ほどで戻ってきた。
その後何人かが携帯で撮影した画像も証拠として出したのだが、所詮は
携帯の画質、真っ暗な画像が映っているだけで何の証拠にもならない。
俺達は先生達に「さっさと寝ろ」とまくし立てられて自分達に割り当てられた
部屋へと戻った。
続く
>>187の続き
その夜、なんか中途半端でモヤモヤして寝れない俺達がこれから確認に
行くか、それとも昼間行くかを話し合っていると、部屋の窓が
ドンドン!
と叩かれた。
窓の外に人影も見える。
俺達はさっきのこともありビビりまくっていると、外から「おーい、あけてくれ!」
と声が聞こえてきた。
カーテンをあけると、そこには昼間仲良くなった他校の生徒5人がいた。
やつらはどうも窓の外にある20cmくらいの幅のでっぱりをつたって俺達の
部屋までやってきたらしい。
5人を部屋の中にいれると、どうもやつらも俺達と同じ話をしていたらしく、
これから例の家に行く事にしたので俺達を誘いに来たらしい。
俺達もそれで決心が付いたので、これから肝試し?に行く事になった。
メンツは、うちの学校からは
俺、A也、B太
他校からは
C広、D幸、E介
他のやつは何だかんだと理由をつけて結局来なかった。
続く
>>188の続き
俺達は5人が通ってきた窓の出っ張りをつたい外にでると、先生に見付からない
ように一端道路に出て、そこから大回りに問題の家へと向かった。
一応、家の周りは合宿所の2階廊下から丸見えなので、残ったやつ何人かが
異常があれば廊下から懐中電灯で合図してくれるという計画になっていた。
家の前につくと流石に不気味だった。
遠目には解らなかったのだが、壁には苔が生えているしあちこちに蔦も絡まっている、
しかも外から見える窓は全て板が打ち付けられていてだいぶ長い事放置された
場所のようだ。
最初C広とA也とB太が家の周りを確認しに行ったのだが、俺が開かない事は
解っていたが何気にドアノブを回すとすんなりとドアが開いてしまった。
急いで3人を呼び戻し、俺達は中へと入る事にした。
中に入ると夏場という事もあり室内の湿気が凄くかび臭い。
家の中を探索してみると、埃っぽくカビ臭くはあるのだが、室内は荒らされた様子も無く、
家具も何も無いのでやたら広く感じた。
1階を探索していると、E介が「2階から笑い声しね?」と言い出した。
俺達は耳を澄ましてみたが、笑い声は聞こえない。
E介に気のせいじゃないか?といったのだが、E介は気になるらしく見に行きたい
と言い出した。
しかし、まだ1階の探索も終っていないので、仕方なく3人ずつのグループに
分けて、片方はそのまま1階を、もう片方は2階を探索する事にした。
グループわけは簡単で、同じ学校の俺とA也とB太がそのまま1階を、別の学校の
C広とD幸とE介が2階を探索する事にして、何かあったら階段のところでおちあう
事にして別れた。
続く
>>189の続き
暫らく探索していると、2階から突然
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
と場違いに明るい笑い声が聞こえてきた。
そしてすぐに「おいE介?どうした?おい!」とC広とD幸の狼狽した声が聞こえてきた。
俺達が大慌てで2階に上がると、一番奥の部屋に3人はいた。
笑い声の主はE介で、窓のほうを向いてまだ
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
と大声で笑っている。
そしてその横にC広とD幸がいて、真っ青な顔でE介を揺さぶったり頬を引っ叩いたり
していた。
俺達もただ事では無いと3人のところに行って前に回りこんでE介の顔を見たとき、
俺は今時分たちが置かれている状況の深刻さに始めて気が付いた。
E介はほんとにおかしそうに笑い声を上げているのだが、顔は無表情でしかも目からは
大粒の涙を流している、それに何か臭いとおもったらどうやら失禁しているらしい。
E介はまるで俺達の事が見えていないかのように泣きながら笑い続けている。
俺達が狼狽してE介に呼びかけていると、その場で一番冷静だったB太が
「とりあえずE介このままにしておけないし、合宿所まで運ぼう」
と言ってきた。
続く
>>190続き
そして、俺達はE介の手足と肩をもち外へと運び出そうと1階までE介を運んだ。
が、そこで問題がおきた。
ドアを開けようとしたB太が声を震わせながら大声で
「ドア開かねーよ!」
と言ってきた。
俺達はE介を廊下に降ろし、みんなでドアを開けようとしたのだが、さっきは簡単に
開いたのに今はびくともせず、6人の中で一番体格の良いA也がドアにタックルして
みたのだがそれでもまるで開く気配が無い。
俺達は軽くパニックになり顔を見合わせていると、2階から微かに
「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」
と、まるで抑揚の無い機械的な声というか音というかが聞こえてきた。
E介はまだ床に寝転がされたまま笑っている。
とにかく外にでないといけない、そう考えた俺は、1階のリビングがガラスのサッシのみ
で割れば出れそうな事を思い出し、4人にそれを伝えるとリビングへと向かう事にした。
その時、ふと俺は階段の上を見て絶句した。
階段の踊り場の少し上ところから子供の顔がのぞきこんでいる。
月明かりが逆光になっていて表情とかは何も解らないが、顔のサイズや髪型から
さっきの子供とわかった。
相変わらず
続く
>>191続き
「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」
という声も聞こえてくる、どうやら声の主はこの子供らしい。
しかし何かがおかしい、違和感がある。
俺はすぐに違和感の正体に気が付いた。
子供は階段の手すりからかなり身を乗り出しているはずなのだが、なぜか頭しか見えない。
あれだけ乗り出せば肩辺りは見えても良いはずなのだが…
俺がそんな事を考えながら階段の上を凝視していると、C広が
「おい何してんだ、早く出ようぜ、ここやべーよ!」
と俺の腕を掴んでリビングへと引っ張った。
俺には一瞬の事に見えたが、どうも残りの4人がE介をリビングへ運び込み窓ガラスを割り、
打ち付けてある板を壊すまでずっと俺は上の子供を凝視していたらしい。
俺は何がなんだか解らず、とりあえず逃げなければいけないと皆でE介を担いで外へと
でた。
外へ出ても相変わらず
「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」
という声は家の中から聞こえてくる。
俺達はE介を担ぎ、D幸が合宿所へ先生たちを呼びに行った。
続く
>>192の続き
その後、E介は救急車で運ばれた。
俺達は先生方に散々説教をされ、こんな事件があったので合宿はその日で中止となった。
帰宅準備をしていた昼頃、十台くらいの数の車が合宿所にやってきた。中から20人ほどの
おじさんやおじいさん、あと地元の消防団らしき人が降りて顧問の先生たちと何か話しを
すると、合宿所の裏に回り例の家の周りにロープのようなものを貼り柵?のようなものを作り始めた。
俺達は何事なのかと聞いてみたが、顧問の先生たちは何も教えてくれず、そのまま
バスで地元へと帰った。
E介は2日ほど入院していたが、その後どこか別の場所へ運ばれ、4日後には何事も
なかったように帰ってきた。
後から事情を聞いてみると、E介には家に入ったところから昨日までの記憶が何も
なかったらしい。
この後まだ話には続きがあるのですが、今日はもう夜遅く続きを書いている時間がないので、
残りは後日とします。
続き待ってる!荒らしいるみたいだからsageだとありがたいな。
マダー?(・∀・)っ/凵⌒☆
今回かなり量が多いので、恐らく連投規制に引っかかると思います。
なので、ある程度の量をうpして、それから暫らく間を空けて続きを
うpするという形にしたいと思います。
なので中途半端な形で切ると思いますが、必ず最後までうpするので
少々お待ちください。
>>193続き
昨日の>>193からの続きです
E介が帰ってきた日の夜、俺が自分の部屋で寝転がってメールしていると、一瞬
「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」
というあの声が聞こえた気がした。
びっくりして起き上がりカーテンを開けて外を見たりしたが、いつもの景色で何も無い、
俺は「気のせいかな?」と起き上がったついでに1階に飲み物を取りに行くことにした。
俺の家はL字型になっていて、自室は車庫の上に乗っかるような形になっている。
冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出し2階へ上がると、丁度階段を上がったところの窓の
カーテンの隙間から僅かに自室の屋根の部分が少し見えた、すると屋根の上に
何かがいる…
この前あんな事があったばかりなだけに、ビビりまくった俺が窓からカーテンを少し開
けて外の様子をのぞくと、屋根の上に和服を着た子供が両手を膝の上にそろえて正座
しているのが見えた。
それだけでもかなり異様な光景なのだがそれだけではなかった。
子供は体を少し前かがみにして下を覗きこむような姿勢なのだが、首のあるはずの部分から
細長い真っ直ぐの棒のようなものが1mほどのびていて、その先にある頭が俺の部屋の
窓を覗き込んでいた。
続く
>>268の続き
即席aaで解り難いけどこんな感じだった
「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」
という声も窓越しにわずかに聞こえてくる。
俺はあまりの出来事に声も出せず、そのまま後ずさりすると1階へ下りた。
寝ている親を起そうかとも思ったが、これで起してあれがもういなかったらそれこそ
恥ずかしい…
その時なぜかそう思った俺は、そのまま1階のリビングで徹夜した。
たしか朝4時過ぎまで「ホホホ…」という声は聞こえていたと思う。
翌朝、恐る恐る部屋に戻ってみたがあれはいなくなっており、室内にも特に変わった
部分は無かった。
その日の昼頃、自宅の電話に顧問の先生から電話があった。
この前の件で話があるからすぐに来いという。
昨晩のこともあった俺は、嫌な予感がして大急ぎで学校へと向かう事にした。
続く
>>269の続き
学校へ到着すると、生徒会などで使っている会議室に呼ばれた。
会議室に入ると、A也、B太、それにC広とD幸までいる、更にうちの学校とC広たちの
学校の顧問の先生たち、それと見た事の無いおじさんたちも数人いた。
まず顧問の先生のうち1人が話し始めた。
要約すると、E介にまた同じ症状だでたらしく、とある場所に運ばれたらしい、そして、
俺達に「昨夜おかしな事はなかったか?」と聞いてきた。
俺はすぐさま「昨夜のあれ」を思い出し、
「あのー、深夜になんか変なのが俺の部屋を覗き込んでるのが見えて…」
と事情を話した。
A也、B太、C広、D幸には特に異常はなかったらしい。
するとC広が
「そういやお前(俺)さ、あの家の中で階段の上眺めながらボーっとしてた
よな?あれ関係あるんじゃないか?」
と言い出した。
続く
>>270の続き
そういえば…
俺はあのときの事を思い出し、皆に「あの時さ、変な笑い声みたいなのと、なんか
子供の姿見たよな?」と聞いてみた。
しかしみんなは、声はずっと聞こえていたけど子供の姿は最初のドアのところで見ただけ
で、家の中では見ていないという。
俺達がそんなやり取りをしていると、さっきまで黙っていたおじさんが事件の詳細を
話し始めた。
非常に長い話だったので要約すると。
俺達がであったのは、「ひょうせ」と呼ばれるものらしい。
これはあの土地特有の妖怪のようなもので、滅多に姿を見せないが、稀に妊婦や不妊の家の
屋根に現れて笑い声をあげるらしい、そうすると妊婦は安産し不妊の夫婦には子供が
産まれるという、非常に縁起の良いものだそうな。
ただし、理由は全く解らないが、数十年に一度なぜか子供を襲い憑り殺してしまうという
厄介な存在でもあった。
ちなみにあの家は全くいわくも何もなく、ただ「ひょうせ」が偶然現れただけの場所なのだが、
「ひょうせ」が子供を憑り殺そうとした場合、それに対する対抗策があり、「ひょうせ」が最初に
現れた場所に結界を作り封じ込め、簡易的な祠をつくって奉ることで殺されるのを防ぐ
事ができるらしい。
合宿所から帰る直前、俺達が見たのはその封じ込め作業だったわけだ。
続く
>>271の続き
おじさんは続けて。
ただ今回は何かおかしいのだという。
普通祠をつくって奉ればそれで終るはずなのだが、今回はどういうわけだが逃げられてしまって
E介がまた被害に会い、しかも俺のところにまで現れている。
それに、そもそも現れるだけでも珍しい「ひょうせ」が自分達の村とその周辺以外に現れるという
のも全く前例がないうえに、「ひょうせ」が前回子供を襲ったのは20年ほど前で「早すぎる」
のだそうな。
ただ、おかしいおかしいといっても現実に起きてしまっているのだから仕方が無い。
俺達は学校で村から来たお坊さんに簡易的な祈祷をしてもらい、お札を貰って君たちはこれで
大丈夫だろう、と言われ帰された。
ちなみにE介に関しては、暫らくお寺で預かって様子を見て、その間にもう一度祠を建てて
「ひょうせ」を奉ってみるとの事だった。
学校から帰された俺達は、各々迎えに来ていた親に連れられて帰る予定だったのだが、
話し合ってひとまず学校から一番近い俺の家に全員で泊まることにした。
安全と言われていてもやはり不安だし、全員でいたほうが少しは心細く無いと思ったからだった。
その夜、俺達が部屋でゲームしていると
コン…コン…コン…コン…
と窓を規則的に叩く音がした。
続く
面白かった。